症例報告
1. Brain Dev 2020; 42:607-611 Takase C et al. KCNT1-positive epilepsy of
infancy with migrating focal seizures successfully treated with nonnarcotic antitussive drugs after treatment failure with quinidine: A case report
生後1か月に発症
てんかん発作は2-3回/日から徐々に増えて7-8回/日に
fosphenytoin(商品名ホストイン)などの薬剤に不応
LEV+KBrで鎮静された
PHT+ZNS+CLB+LTG⇒忍容性は良かったが効果はあまりなし
てんかん発作回数60-100回/日に増悪⇒生後7か月に脳梁離断術
遺伝子検査でKCNT1遺伝子異常A474Hと診断
遊走性焦点発作と診断
キニジン投与開始⇒3-4週間で発作回数が80回以上から半減
生後19か月からPER+ジアゼパム奏肛⇒一定効果あり、ただしてんかん発作は30回/日
生後24か月 呼吸器感染症⇒抗生剤投与 QT延長のためキニジンを中止、てんかん発作の増悪はなし
この3か月後、突然てんかん発作が止まった
振り返ってみた時に、咳止めで処方されたtipepidine(商品名アスベリン)投与後と分かった
その2週間後にてんかん発作が再燃、その6週間後に呼吸器症状があったので別の鎮咳剤dextromethorphan (商品名メジコン)が処方⇒発作回数が10回/日に⇒メジコン増量したところ発作回数が顕著に減少した
年齢が上がってくるにつれて自然に発作が減ったのか?
感染症合併の影響で発作が減ったのか?
本当に咳止めの効果なのか?
この症例のその後の経過がどうであるか、大変関心があります
CBZ カルバマゼピン(テグレトール)
CLB クロバザム(マイスタン)
KBr 臭化カリウム(商品名同じ)
LCM ラコサミド(ビムパット)
LEV レベチラセタム(イーケプラ)
LTG ラモトリギン(ラミクタール)
PB フェノバルビタール(フェノバール)
PER ペランパネル(フィコンパ)
PHT フェニトイン(アレビアチン,ヒダントール)
TPM トピラマート(トピナ)
VPA バルプロ酸ナトリウム(デパケン)
ZNS ゾニサミド(エクセグラン)